2014年2月17日月曜日

浜松ホトニクスの新しいイメージングソフト (HC Image)をインストールしてみたの巻

今回は浜松ホトニクスのイメージングソフトウエア HC Imageのインストールから設定までの記録を残しておく。

浜松ホトニクスのイメージングソフトウエアといえばAQUA COSMOSが有名だが、開発は日本が主導で、30-15年くらい前に一世を風靡したスライス培養や急性スライスのイメージングに特化したものであるらしい。たぶん私の指導教授も開発には大いに貢献したに違いない。

ところがあまりにもガラパゴス化したためにもっと汎用性のあるものを、ということで開発されているのがこのHC Imageで、
これはアメリカとヨーロッパと日本の共同開発であるらしい。一番の売りはなんと言っても64bitシステムで動くことか。

無償版はHC Image Liveといって、無償でこれだけの機能があるのかというくらい非常によくできたソフトでした。今回は実験の都合上、欲しい機能が付加された有償版を購入しました。

今回インストールしたPCはwindows 7 64bit版です。

1. インストールへの道のり

有償版はUSBドングルがないと動かないのですが、これを認識するのがSentinel Protectionというシステムらしい。調べた感じ、これは浜ホトに限った話じゃなくて一般的に有償のソフトウエアをプロテクトするのに用いられているみたい。

HC Imageをインストールすると途中でSentinel Protection Installerというのをインストールすることになる。私の場合、まずここで躓いた。

おそらく大半の初購入者は失敗することはないと思うが、Sentinel Protection Installerでググルと、「Sentinel Protection Installer インストールできない」とか「Sentinel Protection Installer エラー」と予測検索されるので、HC Imageにかかわらず失敗する人が多いのだろう。

なのでまずはここにその対策を記す。

私の場合は何度試しても「your system has not been modified」というエラーメッセージが出る。これは要するにインストールに失敗したということなのだが、考えられる原因は2つあって、(1) インストール先のフォルダーのパーミッション権限がないために拒否される (2) 古いバージョンが残っている、ということだ。

(1) 普通は管理者でログインしていると思うが、複数の人でPCをシェアしてる場合などは権限が限定されている場合もあるので、インストール先のフォルダー (なぜか/Program Files (x86)/Common Files)を右クリックして権限を確かめる、というのが一点。

(2) トラブルシューティングにある通り、
http://support.safenet-inc.jp/srm/information/faq/SuperPro_TS_FAQ_20120221.pdf
古いバージョンのレジストリなんかが残っているとダメらしくて、せっせと消したんだけどダメ。
たぶん初めてインストールする人はないと思うけど、以前業者の方に有償版をデモしてもらったときに残ったゴミが邪魔してるっぽい。

そんな人は、Sentinel System Driver cleanup の64bit版をダウンロードして実行すると良い。
http://sentineldiscussion.safenet-inc.com/topic/cleanup-utility-ssdcleanup

どちらが功を奏したのかは判らないが、とにかくうまくいった。丸二日かかったよ。

2. 外部装置との接続

前述で実験の都合でと書いたが、今回私がしたかったのは、(1) 光源の制御を外部トリガーで行うこと (2) 測定のルーチン化 (スケジューラー機能)の二つでこれは無償版ではできない。(2)はまた後日行うとして、まずは (1)について記す。

用いる外部刺激装置はAMPIのMaster9 (いわゆるスティミュレーター)、制御したい光源はLeicaのEL6000。
この機械はシリアルポート接続でトリガーを入れることができることは知っていたので、HC imageのI/O outputからシリアルポート出力を行えばよい。つまりソフトウエアを介して二つのハードウエアを制御するということだ。
このように多彩な外部機器との接続を可能としている点もHC Imageの利点である。おそらくどんな顕微鏡やフィルター・シャッター・光源・XYステージなどの外部装置もサポートされていると思われる。

用意するものは、(拡張) シリアルポート、9pinのオス-メス シリアルケーブル

次に、PCにトリガを入力し、ソフトウエアを制御する。ここで用いるトリガ制御ユニットは浜ホト純正のものを購入した。出力は後半の4チャネルで今回は6番- PIN15のNerrorを用いた。ここに外部刺激装置からの入力をBNCケーブルで接続する。

用意するものは、(拡張) プリンタポート、25pinのオス-オス パラレルケーブル

トリガ制御ユニットのoutからPCに接続。

これで準備完了。PCを介して、光源と刺激装置がつながりました。



3. HC Imageの設定

まずは、file→current profileからDevice settingのタブへ、I/O Devicesでadd、新しい接続を開始します。 (1) 一端はSerial-IO: COM4で、光源の4pinをCOM portとして選択 (これは光源装置の仕様)、それ以外はデフォルトで、光源のシャッターは切っておく。これで光源の制御がシャッターの開閉と同期します。 (2) もう一端はParallel- IO:LPT1でP15-nError がActiveなのを確認すればOK。




































LPT1とCOM4がactiveになっていれば良い。

次にTOPパネルのDeveicesからI/O setupを選択 Capture EventsのタブでInput PinsをP15に、stateはHighに
Frequencyはfirst fieldにしておけばよい。一方outputはExposure onをCOM4のPin4のhighを選択しておけばよい。

以上。明日は (2) スケジューリング機能の設定を頑張るよ。